写真:大阪の喫茶店にて。社交ダンスが趣味のMさんはセクシーで朗らかな女性です。
数年前まで、大阪を中心とする関西地方に苦手意識を持っていたんです。ボケツッコミを強制されるイメージが強かったから。でも、実際に会う大阪出身者はいい人が多かったりします。勇気を持ってスナック大宮を開催してみたら、テンポが速くて盛り上げ上手な人は多いのは事実ですが、ちゃんと向き合えば話が通じると感じました。同じ日本なのだから当然ですけどね……。個人商店が多い天満という街も、「炮炮(ぽーぽー)」という名の沖縄料理店も大好きになり、定期開催することに決めました。昨年5月の初開催以来、すでに3回開催しています。常連になりつつあるMさんに感想を聞きました。
――スナック大宮を知ったきっかけから教えてください。
ネットで選んで読むコラムがすべて大宮さんの記事だった時期がありました。特に、40代の未婚女性の話に納得。私の胸にズバズバと突き刺さりましたよ。メルマガに登録したら、残念ながら大阪での第1回は終わっていました。で、愛知のスナック大宮(2016年7月)へ、名古屋に住んでいる友だちに会いがてらに参加しました。
――大阪から名古屋までは新幹線で50分ぐらいなので近いですよね。スナック大宮の開催場所である蒲郡は、名古屋から在来線で40分もかかるのですが……。参加してみてどうでしたか?
土地の違いを感じて面白かったです。特に男性が違いますね。愛知の男性は控えめだけどしっかりとした意見があると感じました。大阪の男性はしょーもないことは言うけれど本音を明かさないんです。女性ですか? 大阪の女はすべてダダ漏れですよ(笑)。
――愛知のスナック大宮は男性の参加率が高いのです。僕自身が5年も住んでいるので、親近感を持ってくれるのかもしれません。大阪でのスナック大宮は今のところ男性が少なめですね。
スナック大宮だけでなく、普段の生活でも男性はあまり外に出て来ません。社交ダンスの場でも男性は貴重です。スナック大宮の女性たちとは「どこに行ったら男がおるねん」と不思議がっていますから。
――最初は男女比率をできるだけ同じにしようと思っていたのですが、もうあきらめました。女性8割でも楽しいですよね。
はい。問題ありません。みんな大宮さんに会いたくて来ているんですから。大宮さん、売れかけの芸人みたいですね(笑)。スナック大宮のみんなは同じく大宮さんの文章を読んでいるので、価値観が似ている人が多いんです。悩みが近かったりして話がすごく盛り上がります。これからもぜひ大阪で開催してくださいね!
Mさんをはじめとする大阪の女性と話していると、「この街には明るくて働き者で情が深い人が多いのかも」と感じます。それぞれがいろんな悩みを抱えているはずですが、あまり愚痴っぽくならず、しゃべり下手な僕をにぎやかに真っ直ぐに応援してくれるのです。ありがたい……。できるだけ丁寧な文章を書くことで恩返しをしたいと思っています。11月にまた大阪でスナック大宮をやるのが楽しみです。いま僕は、大阪に「行く」というよりも「帰る」ような気持ちになっています。
著者プロフィール
- 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。
<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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