マイペースだけど寂しがりの僕。フリーライターとして一人きりで働いていると人恋しくなってしまいます。で、毎月のように「僕を囲む会」をやっているのです。それがスナック大宮ですよ。
すでに55回も開催しているので、改めてゆっくり語り合ってみたいと感じるお客さんと出会うことも少なくありません。声をかけて、お茶や食事をご一緒しながら、スナック大宮の感想などを伺っています。まだ参加したことがない、どんな雰囲気なのか気になる、初参加でも居心地悪くないだろうか、という方は参考にしてくださいね。
6人目は、都内で会社員をしている渡辺さん(上の写真)に登場してもらいました。お笑い好きだという渡辺さん。同じくスナック大宮の常連さんでもあるマジシャンのナッツ淳さんがライブに出ると聞き、浅草「水口食堂」で昼ビール&ランチをしながら渡辺さんのお話を聞き、その後で一緒にライブを観に行くことにしました。
――お笑いがお好きなんですね。
きっかけはダウンタウンでした。最近では、ナイツやU字工事、ガリガリガリクソンなどが好きです。キングオブコメディも応援していたけれどあんなことになってしまって……。基本的には自宅でネット動画を観ています。NHKのコント番組『LIFE!』は意外と面白いですよ。ライブは久しぶりなので、今日は楽しみにして来ました。
――僕もです。映画館には気軽に行くのですが、ライブはこういう機会でもないと足が遠いんです。なぜだろう。ライブだと観客であるこちらも緊張するからでしょうか。でも、実際に生で観るとすごくいいですよね。帰り道、観る前より元気になった気がします。そういえば、スナック大宮も「生」です。渡辺さんが参加したきっかけを教えてください。
僕はコンピュータを使ってシミュレーション(模擬実験)を行う会社で働いています。自動車メーカーなどがお客さんです。昨年の夏ごろに、仕事がらみで「実験」というキーワードで検索をしていたら、大宮さんのブログ「実験くんの食生活」が出て来ました。
――見つけてくれて光栄です。今年3月まで、10年間も続けていたブログでした。いまはホームページに移行しています。
ブログではよく手料理を紹介していましたよね。僕も料理が好きなので興味を覚えたんです。その頃、転職したばかりだったので飲み仲間が少なくて、スナック大宮にも行ってみたくなりました。初参加は昨年10月だったと思います。
――それからはほぼ毎月、参加の申し込みをしてくれていますね。メルマガでお知らせを送るとすぐに渡辺さんから参加表明の返信が来るので嬉しく思っています。
僕は面倒臭がりなので自分から飲み会などを企画することはありませんが、その代わりに誘われたらまず断りません。スナック大宮は、毎回いろいろな人からお話が聞けるので面白いし、参考にもなります。先日は結婚相談所に登録したという女性が近くに座っていて、月に1人ペースでお見合いしていても3ヶ月ぐらいで苦しくなってきたと話してくれました。お茶ではなくお酒を飲みながらお見合いがしたいそうです。
――現代のお見合いは、うまくいくことよりもいかないことのほうが圧倒的に多いので、断ったり断られたりを繰り返すことになります。それって確かに苦しいですよね。コツとしては、お見合いおばさんやおじさんに自分の好みを明確に伝え、それに当てはまる人ならば自分からは断らない姿勢を保つことだと思います。どんなに偏った好みでも構いませんが、2要素ぐらいに絞るべきです。ちなみに僕もお見合いおじさんをしています。お世話している女性から「飲み食い好き」と「(見た目が)若い」という2点を備えた男性を紹介してほしいと頼まれました。その人にとっては、年収などよりも趣味嗜好やルックスが大事なのですね。
なるほど。大宮さんがヤフー個人で書かれていたコラム「モテない人は一本釣り。モテる人は底引き網漁。どちらがいい?」も楽しく読みました。大宮さんと僕とでは働いている業界が異なるので、ものの見方や考え方の違いを感じます。だからこそ、こうして実際にお会いしていても面白いのだと思います。
――他人と自分の違いを面白がることができる男性は素敵だと思います。渡辺さんは独身でしたっけ? すぐにでも結婚相手が見つかると思うけどな……。
僕は留学など自分のやりたいことばかりやってきて、女性と遊ぶことをおろそかにして来ました。流されるように男同士で遊んでいると楽だけど状況は変わりませんね(笑)。大宮さんは苦手かもしませんが、スナック大宮でBBQや料理会を企画するのはいかがでしょうか? みんなで一緒に何かをやると、参加者同士の関係性も変わってくる気がします。
*****
お笑いと同じぐらい食べることが好きな渡辺さんとの意見交換を楽しんだ後、浅草東洋館でライブを鑑賞しました。ナッツ淳さんのお笑いマジック、コミカルで良かったですよ。最前列で観ていたら、ライブ終了後の中入りの時間帯に客席まで来てくれて「観に来てたんだね。びっくりしちゃったよ~」と声をかけてくれました。ナッツさん、気さくでいい人だな……。渡辺さんとはまた一緒にお笑いを観に行く約束を交わして帰路に着きました。
著者プロフィール
- 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。
<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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