本気なら相手に合わせることもできる

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 発売中の新刊『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)を記念して3月30日に開催したトークライブ。ボランティアスタッフの三咲さんと三條さんが動画を編集してくれました。2本目はこちらからどうぞ。タイトルの「本気なら~」は、「大人なら~」と言い換えることもできると思います。以下、新刊の中からトークに関連する箇所を抜き出しておきます。あわせてお楽しみください。
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 晩婚さんの基本は、夫婦どちらも「一人でも生きていける」こと。相手に寄りかかる依存心もなければ、相手のために頑張らなくちゃという強迫観念もない。自分のために自分の人生を生きるのだ。ただし、一人よりも二人のほうがかけ合わせで面白くなるから一緒にいる。その面白さがなければ、一人で生活したほうが楽だ。
 自信を持てず、自分は無価値だと思っていると結婚生活はうまくいかない。経済的にも精神的にも自立しておかないと、結婚相手に依存してしまう。期待を裏切られたと思うとDVが発生しかねない。 
 大人として成熟するタイミングには個人差がある。時代によってもそれは異なるだろう。現代では、30代後半で「少しは大人になった。独占欲や依存心を抑えられる」とようやく自覚する人もいる。夫婦のどちらかが「子ども」のままで結婚をすると失敗に終わってしまいやすい。本当の意味で大人になってからの結婚にも意味があるのだ。 
 配偶者とはどちらかに依存するのではなく、「無二の親友」になることが重要なのだと思う。たまには一人で静かに過ごしたり、みんなで盛り上がったりする時間があっていいけれど、二人きりでいる時間がやっぱり一番気楽で面白い。筆者の場合、嬉しいことや悲しいことがあったとき、真っ先に話して分かち合いたいのは妻であり、おいしい居酒屋を見つけたら一緒に行きたいのも妻だ。
 お互いが無理をせずに余裕を持って生活できる心構えも必要だ。例えば、バカなことを言ってしまうのも自分の持ち味だと腹をくくる。親友である配偶者にどんどん言えばいい。呆れつつも愛してくれるはずだ。二人の関係がリラックスしたものになれば、家に遊びに来てくれる友達もできる。
 我慢して義務を果たすために結婚するのではない。人生をより豊かなものにするために、ふさわしいパートナーと巡り合って家族になるのだ。
 強力な大人同士なので激しく衝突しないための工夫も要る。夕食のおかずから見たいテレビ番組まで、小さなことでも「これはどう思う?」と言葉にしてすり合わせを行う晩婚さん夫婦もいる。ただし、家事は気付いたほうが率先してやる。自分がやるか相手がやるかのどちらかしかないからだ。やってもらったほうは「ありがとう」を忘れない。相手の言動でどうしても見過ごせないことははっきりと伝えればよい。
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著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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