結婚相談所Repre(東京都新宿区)

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写真:次々に新しいアイディアを思いついては果敢に実行している村木さん。自営業をするために生まれてきたような人物だ。
お見合いは自分の友だち同士を引き合わせている感覚
 一人で450名(取材時)もの会員を抱えている男性がいる。東京・西新宿にて結婚相談所「Repre(リプレ)」を運営する村木大介さんだ。すぐに疑問がわく。そんなに大勢の会員を一人でお世話できているのだろうか?
「よく質問されることです。誤解を恐れずに言いますが、僕は好きな人のお世話しかしていないので問題ありません。登録してもらっても1年以上(お見合いの)紹介をしていない人もいます」
 こんな発言をしても会員からクレームが殺到しない理由がある。Repreは入会費も月会費も無料で、かかる費用は「お見合い料」「情報交換料(お見合い後、双方が継続して会うことを希望した場合に発生)」「成婚料」の3つのみ。登録しただけでは1円もかからないのだ。
 村木さんは怠け者なのではない。むしろ、「すべての責任を自分一人で負って働き、褒め言葉も批判も全身で浴びたい」という気持ちで精力的に働いている。希望する会員には大手連盟のデータベースからお見合い相手を探せるようにしてあるが、Repreの基本は自会員同士の紹介だ。村木さんがよく知っている会員同士を彼の判断で引き合わせている。
「僕にも常識的な対応をしてくれる人を優先します。当たり前のことですが、僕との面談に平気で遅刻してくるような人は信用できません。友だち同士を引き合わせている感覚ですね。僕と友だちになってくれたら紹介するけど、友だちにもなれないような人には何もしません、ということです」

すべての会員とLINEでつながっているからできること
 冷たいように聞こえるが、実際の村木さんは朗らかで真面目な人物である。登録希望者とは一度は必ず面談し、その後は主にLINEを使って連絡を取り合う。メールよりも過去のやりとりを確認しやすいからだ。パソコンにはすべての会員の個別データを記録しているが、ほとんどの会員の人柄や希望条件は頭の中に入っているという。
「月15人ぐらいの新規登録希望の方と面談しています。面談をしながら、引き合わせたい会員の顔が次々に浮かびますよ。後で会員のデータもパソコンで確認し、誰に紹介をするかを決めて、それぞれにLINEを送ります。お互いが希望する条件に沿ったお見合いを心がけていますが、条件にぴったりではなくても僕がなぜおすすめするのかをちゃんと書いてLINEしているので、納得してお見合いをしてもらえることが多いです」
 村木さん自身が男女それぞれの会員と面識があり、まめに連絡を取り合って信頼関係を築いていなければこのやり方は実現できない。顔写真や収入などのスペックだけで検索をかけてしまう婚活アプリや大手の結婚相談所には真似できない芸当だ。
 村木さんは月30件以上のお見合いを実行している。場所は新宿にある高級ホテルのロビーラウンジと決めてあり、「引き合わせ要員」の女性が待ち受けているというシステムだ。
「彼女は目印に過ぎないので、お見合いする男女の名前などは教えていません。でも、このアルバイトを楽しんでくれていて、2人を引き合わせたときの直感を報告してくれたりもしています。実は彼女はRepreで成婚した卒業生なのです」

Repreが入る共同事務所は、東京メトロの西新宿駅から雨にぬれずに辿りつける高層ビルの中にある。

Repreが入る共同事務所は、東京メトロの西新宿駅から雨にぬれずに辿りつける高層ビルの中にある。

コミュニケーションが苦手な人をとことん助けたい
 Repreの「友だちノリ」は止まらない。新宿区内で借りている高層マンションなどを使って、ホームパーティーのような食事会「僕んち」を週2ペース開催。Repre会員でなくても気軽に参加できるというから驚きだ。
「幹事の僕というフィルターがあるので安心して参加できるイベントです。最近は、山登りや温泉旅行を企画したりもしています。普通に楽しいので、多くの人が集まってくれますよ」
 しかし、Repre会員と非会員がこのイベントを通して知り合って結ばれた場合、村木さんは「お見合い料」「情報交換料」「成婚料」のすべてを取り損ねることになる。村木さんは「それはそれで構いません」と笑う。
「人が常にたくさん集まっていれば、また何か面白いことを考えられるからです」
 村木さんには明確な「やりたいこと」がある。自分自身も若い頃は引きこもり気味だったので、同じように他人とのコミュニケーションが苦手な人の力になりたいのだ。
「(対面ではない)婚活アプリを使ったとしても、いずれは顔を合わせなければなりません。でも、異性と何を話したらいいのかがわからない人は多いのが実情です。Repreならば双方のことを僕が知っているので、お見合い、デート、その後の連絡まで、とことん助けてあげられます。だって、担当者は僕だけですから」
 ゆるさと熱さが同居したような村木さん。今日もたくさんの人と面談してLINEしながら、次の新しい仕掛けを考えていることだろう。 (取材日:2018年11月5日)

※Repreの問い合わせ先はこちらです。
※本記事は結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」で掲載していたものです。サイトの閉鎖に伴い、関係者の許可を得て、本ホームページに転載します。記事内容は取材当時のものです。

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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