ファニーキープス(神奈川県横浜市)

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写真:こちらが口を開くと、必ず聞く姿勢に入る佐藤さん。話しやすい人柄だ。

楽しい婚活でいい人と結婚できたらラッキーでしょう?
 「楽しく婚活をして、いい方と結婚できたらラッキーだな~、ぐらいの余裕な気持ちで動きましょう、と会員さんには伝えています」
 ここは神奈川県の東神奈川駅近くにあるマンションの一室。穏やかな笑みを浮かべながら軽い口調で話してくれるのは結婚相談所ファニーキープスの佐藤隆嗣さん。42歳の筆者よりも少し年上かなと予想したら、なんと57歳。大学4年生のお子さんもいるらしい。とても若々しく見えますね、と声をかけたら本人も否定しなかった。
「そうですね。40代には見られます。精神年齢はもっと若いです(笑)」
 威圧的ではなく、卑屈でもない。会員には上から目線の指導はせず、友だちのような対等さでフレンドリーに接する。そして、辛くなりがちな婚活を楽しんでもらう。佐藤さんの信条であり、大きな武器でもある。
「私が続けている婚活ブログを読んで、面談に来てくれる方が多いです。ユーモアやギャグを織り交ぜて書いているブログなので、初対面なのに親しみを持ってくれているようです。私が普通に話しているだけなのに、顔を見て吹き出す方もいます」

婚活に疲れた会員とは一緒にカラオケしてリフレッシュ
 佐藤さんは新卒入社の広告代理店を1年で辞めて、日本に上陸したばかりの結婚情報サービス会社に転職。その会社の閉鎖後は大手の結婚相談所で5年ほど管理職を務めた経歴がある。
 ファニーキープスの設立は2006年。婚活業界歴は30年以上だ。そんな佐藤さんが一貫してファニー(面白い)をキープしているのには理由がある。
「切羽詰まった気持ちで必死に婚活をすると、余裕のなさが相手に伝わってしまいがちです。逆に、笑顔で余裕を持っていると、それも相手に伝わります」
 どちらが良いパートナーとの結婚という成果に結びつきやすいかは明らかだ。ただし、佐藤さんは思考がネガティブになっている婚活者を叱咤激励はしない。
「その人の性格や状況によって言うことは様々ですが、話を聞いたうえで『もうちょっとこういう風に楽しく考えてみようよ』と声をかけることが多いですね。婚活に疲れた、めげそうだ、という場合は一緒に飲みに行ったりカラオケをしたりしてリフレッシュしてもらうこともあります」
 会員とカラオケに行く結婚相談所の所長に出会ったのは初めてだ。まさに友だち感覚。実は、佐藤さんは結婚相談所の運営と並行して独身サークルを長く続けており、そのときのメンバーの一部が結婚相談所にも入会してくれた経緯がある。会員は「仲間」でもあるのだ。

調布FMでは『ファニーサトーのGOGO!コトブキ!』というラジオ番組を受け持っている。

調布FMでは『ファニーサトーのGOGO!コトブキ!』というラジオ番組を受け持っている。

よく見るとあなたは石田ゆり子に似ていますね
 何でも話せそうな雰囲気の佐藤さんだからこそ、筆者も率直に質問させてもらおう。当初は、婚活者も新しい出会いと成果への期待を抱いている。その人の希望をちゃんと受け止めることができれば、楽しく前向きな雰囲気にすることは難しくない。
 問題はその後だ。実際に結婚相談所などで婚活を始めると、「自分が求める人からはお見合いすら断られ、まったく好みでない人からアプローチされる」状況が続きやすい。うんざりして婚活を休みたくなることもあるだろう。佐藤さんはどんな言葉をかけてあげるのか。
「まずはお話を聞いて、共感することが大切です。『そうだよね。素敵だなと思う人は、たいてい恋人がいたり既婚者だったりしますよね』と。婚活の場では、魅力的な人は選ぶ立場にいられるので、『お互い様』にはなりにくいんです」
 スペックが高い人からはあなたは選ばれない、とズバリ言ったら意気消沈させてしまう。ここで佐藤さんは得意の冗談めかしたアドバイスを行う。例えば、こんな感じだ。
「あなたが選んだ男性もカッコいいですね。そうだなー、この人のタイプはきっと女優の石田ゆり子でしょう。あれ? よく見るとあなたは石田ゆり子に似ていますね。もっと似せたほうがいいですよ!」
 誰にでも似合うセリフではないが、軽妙洒脱な佐藤さんが言うのであれば違和感がない。アドバイスされた女性は、「またー、佐藤さんは適当なことを言って~!」と呆れながらも嬉しい気持ちになり、ふんわり美人を目指そうとするかもしれない。もしくは、自分は石田ゆり子風にはなれないと気づき、お見合い相手の幅を広げられるかもしれない。

誰が自分のために一生懸命に動いてくれるのか
「婚活疲れの大半は、深刻に考え過ぎて行き場がなくなることが原因です。そして、『私はお見合いには向いていない』という結論に行きついてしまいます。幸いなことに、ファニーキープスでは婚活疲れで退会するケースはほとんどありません。心に余裕を持って、婚活を継続していけば必ず結婚できるんです」
 考えの行き場がなくなってしまう前に、もっと広い視野で前向きな考え方ができるように誘導する。気晴らし、笑い、面白いアドバイス。佐藤さんはあの手この手で会員を勇気づけている。
 佐藤さんにとって、婚活アプリは敵ではない。結婚は人と人がするものなので、その手伝いができるのも人に尽きると信じているからだ。
「誰が自分のために一生懸命に動いてくれるのか。真剣に結婚したい人ほどいち早く見つけると思うのです。私はそういう人を満足させることができます。大いに期待して、頼ってほしいと思います」
 20代から60代まで、幅広い世代の会員のお世話をしている佐藤さん。軽さの奥に強い自信が感じられるのは、「会員の幸せのためならば何でもする。道化役も辞さない」という覚悟があるからだろう。(取材日:2019年9月19日)

※ファニーキープスの問い合わせ先はこちらです。
※本記事は結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」で掲載していたものです。サイトの閉鎖に伴い、関係者の許可を得て、本ホームページに転載します。記事内容は取材当時のものです。

著者プロフィール

大宮 冬洋
大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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