ラブライフバランス研究所(東京都港区)

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写真:僕の「個性分析」結果。「話題力」「幸福力」「共感力」は高いのは予想通り。よくしゃべりよく笑う「おばさんみたいなおじさん」なのだ。

 Rushの水野さんという名前を聞いて、筆者は嬉しさで浮足立った。あれは15年ほど前のことだったと思う。ビジネス誌のインタビュー仕事で、合コンセッティング会社の創業社長として名を馳せていた水野真由美さんに会いに行ったのだ。やる気と行動力に満ち溢れ、説得力のある言葉で話す美人だったという強烈な記憶がある。
 その後、水野さんは合コン事業を婚活企業の大手であるIBJに売却し、自らはラブライフバランス研究所という結婚相談所を経営している。久しぶりに会ってもらい、あれこれ聞いてみたいと思った。

全国で月1500件もの合コンを開催していたRush全盛期
 水野さんが静岡大学を卒業して名古屋で就職したのは90年代の初頭。バブル経済は崩壊したものの就職氷河期には至っていなかった。バブルの明るさが残っていた時代とも言える。
「就職先は電機メーカーです。でも、いきのいいOLになろうと思っていたので、土日はイベント会社からもらったナレーターや司会者のアルバイト仕事をやっていました」
 当時、「ねるとんパーティー」が全盛期だった。テレビ番組の集団お見合い企画を真似したパーティーである。「何でもやってみよう」という姿勢の水野さんは会社からイベントの枠をもらい、企画から集客、実施をすべて一人でやったこともある。
 パーティーを企画してわかったのは、大人数の男女を集めてお互いを選び合うと特定の人に人気が集中してしまい、あぶれてしまう男女が必ず出てしまうことだ。もっと小規模の合コンを気軽に開催したほうがマッチングしやすいと水野さんは感じた。
「携帯電話やネットが普及する前だったので、合コンをしたい男の子たちに『医者チーム』や『トヨタチーム』などとチームを作ってもらい、フリーペーパーに掲載して、女の子たちからはハガキで応募してもらいました」
 応募ハガキが来たら、双方に電話をして日程調整し、契約している飲食店に送客すれば完了。名古屋だけで月100件も合コンをセッティングできるようになった。
 その後、東京や大阪にもサービスを展開。ピーク時で月に1500件もの合コンを開催していた。一方で、水野さん自身が30代半ばを過ぎた頃から、自分たちスタッフと利用者との世代の違いを感じるようになったと振り返る。
「合コンはあくまで遊びの世界なので、結婚を前提とした真剣交際をいきなり求めることはできません。晩婚化によって結婚相手を真剣に探したい人が増えていることを実感し、ゆっくりじっくりと会員さんに向き合いたくなったのだと思います」

真剣に結婚したい人をじっくりサポートするための武器
 結婚相談所が会員とじっくり向き合うとはどういうことか。次々にお見合いを組むだけの「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」サービスではなく、お見合いの前後で自らを知る手助けをすることだ。自分は対人関係においてどのような傾向があり、長所を伸ばして短所をカバーするにはどうしたらいいのか。それを知っておけば、補完し合えるパートナーを見つけやすくなる。
 水野さんが用意したのは、対人関係のおける個性を診断できるテストだ。選択式の120問にネット上で回答することで、以下の12項目の「力」をA~Gまでのレベルに分類できるという。すなわち、充実力・話題力・交際力・幸福力・表現力・共感力・尊重力・成長力・開示力・自由力・自立力・感動力である。水野さんたちスタッフは恋愛および結婚の実例と照らし合わせて、その診断結果に基づいた婚活アドバイスを行う。
「この診断結果を見たら、結婚詐欺に遭ったり都合のいい人になりやすいタイプは一目瞭然。共感力、尊重力が共にとても高い人です。雰囲気に弱く甘い言葉にほだされ易い。そして、自分の意思より相手の都合を優先するので相手の世界観に取り込まれてしまう。要領のいい人や悪意のある人に簡単につけこまれます」
 筆者は既婚者であるが、離婚経験者であり、たまに他人をひどく怒らせることがある。離婚は二度と経験したくないし、妻以外の他者ともできればうまくやっていきたい。水野???†????さんの「個性診断」を受けさせてもらうことにした。
 結果はかなり意外なものだった。尊重力と自立力、感動力が標準点を下回るE判定だったのだ。しかし、水野さんの分析コメントを聞くと納得できた。

水野さん自身は「自由力」が極めて高いらしい。時代を見据えながら独自のサービスを開発し続けている女性だ。

水野さん自身は「自由力」が極めて高いらしい。時代を見据えながら独自のサービスを開発し続けている女性だ。

「尊重力」が低い人同士の結婚はうまくいかない
 まずは尊重力。簡単に言えば、自分の生活パターンや考え方を押し通そうとする人は尊重力が低い。水野さんによれば、男性の場合は、低いほうが面白く頼もしく見えてモテやすいらしい。E判定だったことに逆に安心する。ただし、パートナーと話し合うのではなく自分の意向に従わせる傾向があるので要注意だ。
 当然ながら尊重力が低い人同士の結婚はうまくいかない。筆者の場合、幸運なことに再婚相手は尊重力が高い女性だった。彼女が大切にしているのは家業と家族のみ。それ以外はすべて譲ってくれている。それでいて決断力や実行力に富んだ女性なので、家具の更新から旅行までを筆者の気持ちを優先しながら具体化してくれるのだ。尊重力だけでなく自立力も低い筆者との相性はいいと思う。
 感動力はどうか。水野さんによれば、いろんなことに関心を持ちやすい女性に比べると、興味関心が限定される成人男性は感動力が低くなりやすい。確かに、筆者は人間関係には身を乗り出すほど興味があるのに、例えばスポーツ全般に関心がない。尊重力が低いので、自宅のテレビで妻が野球中継などを観ていると不機嫌になったりする。やりすぎると妻が悲しむ。気をつけよう。
 水野さんによる個性診断を受けてみて、対人関係における自分の性格を客観的に知ることができた。もう若くないので短所を大きく改善することはできないだろう。しかし、自らの性格を知っておくことはパートナー選びとその後の生活において大いに役立つと実感した。
 ラブライフバランス研究所は、診断結果を一人ひとりと共有しながら一緒に婚活をしてくれるのだ。納得感のある活動ができるだろう。(取材日:2019年12月19日)

※ラブライフバランス研究所の問い合わせ先はこちらです。
※本記事は結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」で掲載していたものです。サイトの閉鎖に伴い、関係者の許可を得て、本ホームページに転載します。記事内容は取材当時のものです。

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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