マリッジナビ(神奈川県横浜市)

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 写真:結婚生活30年という石田さん。「何があってもうまくやりすごすワザ」も伝授できるそうだ。
 
くっつくものはくっつくし、無理なものは無理
「会員さんにも気が合う人がいてLINEのやりとりを楽しむことがあります。でも、仲人仲間はもっと面白い。壮絶な人生を歩んできて、『私はずっと矢面に立ってきた』と笑っている人もいます。会員さんが成婚に向かっていくときも、仲人同士の考え方が似ているととてもやりやすいです」

 横浜駅からほど近いマンションの一室に来ている。華やかなオーラを発しながら、やや早口で話してくれるのはマリッジナビの石田由美さん。自身は20代後半で結婚し、開業医の夫との間に二人の子どもを授かり、長く専業主婦をしてきた。今では仲良しになった義母との嫁姑関係に苦しんだこともあるが、「すぐに忘れちゃうタイプ」なので乗り切って来たらしい。おそらく経済的な苦労をしたことはないだろう。世間ずれをしていない、いい意味でのお人よしなのだと思う。
 お人よしには想像力に欠けて無神経な発言をする人もいるが、石田さんはそのような傾向はない。結婚8年目の筆者には子どもがいないことを話すと、石田さんはさっと表情を改めて、自分の子どもが大病を患ったときに失神しそうなほど心配したエピソードを話す。人はそれぞれの立場で苦労があり、幸せもあることを伝えたいのだろう。客観性を失わない姿勢は仲人としての仕事にも貫かれている。
「会員さんが無事に成婚したときにも、『私が2人を結婚させた』なんて恐れ多いことは思いません。くっつくものはくっつくし、無理なものは無理なのです。多少のアドバイスはさせていただきますが、余計な口出しはしません。交際が始まった後で、2人があまり会っていなかったとしても、相性は悪くないかもしれないのです。私の思い込みで勝手に交際終了するなんてことはしません」

お世話は何でもするけれどお節介はしたくない
 お世話はするけれどお節介はしたくないと強調する石田さん。一見すると「ちょっと強引な勢いがあるバブル世代」なのだが、自分の生き方を他人に押し付けるようなことはしない。
「会員さんの中にはHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン。繊細で前に進みにくい人を指す言葉)と思われる方もいます。一方で私は『失敗したら直せばいい。何でもやってみよう!』というバブルな性格。だからこそ、心理学などを勉強していろんな人の性質を理解しようと心がけています。いいアドバイスはできないかもしれませんが、自分とは違う人のことを理解して歩み寄ることは必要だと思うのです」
 人間に興味があるからこそ、自分と他人を混同したりはしない。このクールな考え方が似ている仲人仲間と親しくなることが多いようだ。
「以前に、身だしなみに無頓着で私からのアドバイスも一切受け付けてくれない男性の会員さんがいました。でも、仲人同士のプロフィール交換会で『石田さんのところにいるこの方、私の会員さんとどうですか?』と声をかけていただき、なんと2回目のデートで真剣交際に進んだのです。そのまま成婚しました。私たち仲人は見守るだけ。ご縁とはこういうものなのだという思いを深めました」
 自分たち仲人は何もしていないと石田さんは謙遜するが、その存在がなければ2人は出会うことはなかったのだ。また、仲人たちが途中で不要なお節介をしていたら彼らは成婚まで進まなかったかもしれない。やるべきこととやるべきでないことの見極めができるのがプロなのだろう。

マリッジナビの拠点がある横浜駅前にて。水がある風景は心が和みます

マリッジナビの拠点がある横浜駅前にて。水がある風景は心が和みます

結婚は人生の重大事。私の休日がつぶれるぐらいは仕方ない
「まさにケースバイケースですね。どの会員さんにも定期的にお声がけはしますが、放っておいてほしい人にしつこくアドバイスをしたりはしません。反発心を駆り立てるだけですから。逆に、何をどうしたらいいのかわからずに困っている方には我ながらやりすぎだと思うぐらいサポートします」
 お見合いに来ていく服の相談に深夜までのり、自分の洋服を貸すこともあると平然と語る石田さん。大手企業のサラリーマン仲人では決して真似できないサービスである。
「365日、気が休まることはありません。旅先でも、年末年始でも、会員さんからの連絡には必ず応えます。結婚は人生の重大事なので、私の休みがつぶれるぐらいは仕方ないのです。会員さんのことはいつも気になるし、困っていることは一緒に解決したくなります。成婚退会をした後も、『その後はどう?』とLINEしますよ。『穏やかに暮らしています』とか『子どもができました』なんて返してもらえるとすごく嬉しいです」
 20代の頃から出会いの場を作り、結婚相談所に初めてカウンセリングに行く友人には「お母さんのように」に同伴していたと振り返る石田さん。母性が強いことを自覚しており、子どもはできれば5人ぐらい欲しかったそうだ。会員のことは3人目、4人目の我が子のように感じているのだろう。
 会員の個性と自由を尊重しつつ、私にできることは何でもしてあげたい――。婚活という孤独な戦いの場で、石田さんのようなサポーターが傍らにいてくれたら心強いと感じた。(取材日:2019年12月20日)

※マリッジナビの問い合わせ先はこちらです。
※本記事は結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」で掲載していたものです。サイトの閉鎖に伴い、関係者の許可を得て、本ホームページに転載します。記事内容は取材当時のものです。

著者プロフィール

大宮 冬洋
大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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