Yokohama Marriage Agency(神奈川県横浜市)

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写真:大学卒業後は写真スタジオに入り、スタジオとDPEショップの運営に携わっていた高澤さん。写真のプロです。

何度でも直しながら進んでいく。デジタルマーケティングと婚活の共通点
「彼のプロフィールをどう表現すれば女性に興味を持ってもらえるのか。写真をどのように撮り直せばいいのだろうか。いま、ずっと考え続けています」
 ちょっと不器用な話し方から誠実な人柄が垣間見える。結婚相談所Yokohama Marriage Agencyの高澤直人さんだ。2019年に開業し、取材時点では会員は男性1名のみ。大丈夫なのか。
「まずは目の前の会員さんにしっかり向き合って成果を出していくフェーズだと思っています。もちろん、お問い合わせいただければしっかり対応します。ある女性から質問を受けているので、『どんな答えをすればこの人は前向きになってくれるのか』を寝ても覚めても考えています」
 高澤さんには本業がある。ITベンチャーでデジタルマーケティングや広報業務を担当しているのだ。国内のビジネススクールに通って経営学修士を取得した経験もあり、「どうやって売り込むか」などを考えて結果を出すことに「マーケターとしての魅力」を感じ続けている。
「デジタルマーケティングの世界では1つの施策ですぐに結果が出ることはまずありません。気持ちを折ることなく、何回も直して少しずつ進んでいくのです。婚活も同じだと思っています」

出会いだけならアプリでもできる。交際から成婚までの支えになりたい
 高澤さんが結婚相談所を「ライフワークの1つにしたい」と思った背景には自身の体験がある。37歳のときに結婚したが1年足らずで離婚。再婚を目指して結婚相談所に入会したが、お見合いの回数だけをこなして結果が出ずに疲弊していたと振り返る。
「出会いを提供していただいたことには感謝しています。女性カウンセラーからのアドバイスも参考になりました。でも、交際に関しては本人たち任せというスタンスで、先に進むことが私には難しかったと感じています」
 その後、婚活アプリで知り合ったのが現在の妻だ。パン屋の製造スタッフとして働いており、当時はビジネススクールの課題をカフェで取り組んでいた高澤さんに「よかったらうちの店(のイートインスペース)に来ませんか」と誘ってくれた。
「普通、女性は警戒して職場に誘ったりはしませんよね。妻は私を信頼して迎え入れてくれた、と感じました」
 それから先は「とんとん拍子」で交際から婚約、入籍へと発展した。では、なぜ自分は結婚相談所を開設したのだろうか。
「私はたまたまアプリでうまくいきましたが、そのような幸運に恵まれない人も少なくありません。特に、出会った後の交際期間に支えになりたいと思っています」

高澤家の食卓風景。「妻が作ってくれたラタトゥイユをスパークリングワインでいただいたときのものです」(高澤さん)

高澤家の食卓風景。「妻が作ってくれたラタトゥイユをスパークリングワインでいただいたときのものです」(高澤さん)

「物事をはっきり言うタイプ」の私。会員はできるだけ早く巣立ってほしい
 高澤さんによれば、自分たち仲人(カウンセラー)こそが結婚相談所の差別化要因だ。成婚というゴールに向けて会員に寄り添うことが何より重要で、会員に好かれたりする感謝されたりするのは二の次だ。
「お見合いや交際がうまくいなかったとき、その原因を分析してご本人にフィードバックし、改善を促すことが大事です。私はかなり具体的に指摘しています。耳障りなことも多いと思いますが、ゴールに近づいていただくことが何より重要です」
 高澤さんはビジネススクールの同期などからも「物事をはっきり言うタイプ」だと評されているという。筆者は取材中にはそのように感じなかったが、いい意味で空気を読まない性格なのかもしれない。
 ただし、高澤さんと話していると心配になるほど純粋で熱心であることは伝わってくる。この人からならば、少々厳しいことを言われても素直に受け入れられるだろう。
「会員さんはできるだけ早く巣立ってほしいと思っています。婚活にかけるお金はミニマムにして、その後の結婚生活に使ってほしいです」
 パン作りに情熱を燃やす妻は朝4時半起床で職場に向かっているという。高澤さんも同じぐらいの真剣さでたった1人の会員と向き合っているのだ。
「会員数は多くても5、6人が限度かな、と思っています」
 なんと贅沢な。Yokohama Marriage Agencyの会員は高澤さんの持てる力を独占的に享受することができるのだ。そんな結婚相談所があってもいい、と思った。(取材日:2020年10月13日)

※Yokohama Marriage Agencyの問い合わせ先はこちらです。
※本記事は結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」で掲載していたものです。サイトの閉鎖に伴い、関係者の許可を得て、本ホームページに転載します。記事内容は取材当時のものです。

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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