お見合いおじさんが聞く! その9

omioji-9

イラスト:つぼいひろき

 僕の数少ない趣味の一つは「恋バナ」です。食事会を主催することも好きなので、独身男女の出会いの場をセッティングしちゃうこともあります。2014年の春からは「お見合いおじさん」になることを宣言して、その活動報告を日経ウーマンオンラインにて連載させてもらっていました。成婚率ゼロのまま連載は終了しましたが、我がオネット(大宮ネットワーク)メンバーのその後は気になりますよね。盟友のイラストレーターつぼいさんと一緒に、彼らを引き続き応援していきます!

 

すぐにでも結婚したい! 32歳の美人OLがオネットに加入

 友だちの結婚式で再会した男性とお付き合いを始めました――。今年7月に原田尚子さん(仮名、35歳)がオネットを卒業してから4か月。新たな女性メンバーを密かに探していました。

 オネットは僕が個人的にやっているボランティアお見合い活動です。登録資格みたいなものはありません。あえて言えば、「僕が個人的に仲良くしたい人」であり、「僕の人脈でお見合いを少なくも1回はセッティングできそうな人」ですね。

 都内の金融機関で一般職として働いている内山明日香さん(仮名、32歳)とは、ある食事会で知り合いました。細身でちょっとエキゾチック(←僕の好み)な顔立ちの美人です。僕のネット連載を読んでいるらしく、誤字脱字の指摘までしてくれました。感じが良くて積極性もある美人。32歳という年齢も40歳の僕にはちょうどいい!

 勘違いしないでください。僕が内山さんとお付き合いしたいのではありませんよ。オネットの男性メンバーをはじめとする僕の友人知人は、当然ながらアラフォー男性が多いのです。20代の女性と付き合っちゃうような恋愛強者(結婚生活に向いているとは限りませんけど)はお世話をする必要がありません。手助けをするべきなのは、真面目でいい人なんだけどちょっと不器用な男性、ですよね。そういうアラフォー男性には30代の女性を紹介するのが現実的だと思います。

 内山さんにメールでオネット登録を打診すると、「おもしろい記事ができるかどうかわからないけれど、大変光栄です!」と嬉しい返信が来ました。記事の心配までしてくれるなんて性格が良いな~。

 さっそく面談。3兄弟の真ん中である僕との共通点もありました。内山さんは3姉妹の真ん中なのです。お姉さんと妹さんはすでに結婚しているとのこと。真ん中ってなぜか「なんでもちょっと遅い子」「こじらせ系」が多いですよね。兄弟の中では僕だけが大学浪人をし、就職にも失敗し、離婚までしました。でも、「残り物には福がある」とも言いますからね。あれこれ寄り道した分だけ、人生の後半戦は豊かな収穫があると信じるしかありません。内山さん、中間子同士で励まし合いましょうね!

 会社ではてきぱき働いていると自覚している内山さん。「アフターファイブ」も充実していてヨガや料理を楽しんでいます。

 内山さんには高校時代から長く付き合った恋人がいました。「かわいい系」の顔立ちで、面白いことを言って笑わせてくれる人だったと振り返ります。

「私にぞっこんで真面目な人でした。結婚してもいいかなと思っていたのですが、彼のお母さんと合わなかったんです。ピアスや茶髪が気に入らなかったみたいで……」

 完全に難癖ですよね。彼のお母さんは若くてキレイな内山さんに嫉妬したのだと思います。適当に受け流せばいいのです。勝手に結婚して子どもを作ったりすれば、親の心境なんて「孫がかわいい。産んでくれたあなたもかわいい」とガラリと変化したりします。でも、20代半ばぐらいだとそんな図太さを発揮できず、親の言葉を真に受けてしまったりします。別れても仕方なかったのだと思います。

 30歳目前で恋人と別れてからは「週5」ペースでヨガなどに通っている内山さん。かなりストイックに打ち込んでいる趣味ですね。合コンなどはあまり参加しなかったものの、「結婚はすぐにでもしたい」と思っているそうです。

「結婚相談所にも興味があります。このまま34歳まで独身だったらお世話になるかもしれません。結婚相談所で紹介してもらった男性と結婚した友だちもいます。でも、会話が上手ではない男性が圧倒的に多いとも聞きました」

 会話の楽しさを重視する女性は多いですよね。内山さんは共通の興味がある男性とは話が盛り上がりやすいそうです。そして、ちゃんと働く真面目な人を求めています。

「尊敬したいので、年下の男性は苦手です。妹に40代半ばの男性を紹介してもらったこともあります。さすがにちょっと年上過ぎましたけど……」

 この時点で内山さんにご紹介する男性が頭に浮かびました。オネット会員である経営コンサルタントの山本啓二さん(仮名、34歳)です。内山さんより少しだけ年上で、ちゃんと稼いでいて向上心もあります。笑えばかわいい顔になるんですよ。

 ちょっとご無沙汰している山本さんにメールしたところ、「仕事はそこそこ楽しくやっています。恋愛状況はイマイチですけど」との返信。内山さんとのお見合いを「ぜひ」と喜んでくれました。いいね~。近いうちにランチお見合いをしましょうよ。グルメな山本さん、おいしいお店を探しておいてくださいね!

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ページ上部へ戻る