「まだ自分はこんなもんじゃない」と思いたい(「40歳」感想文⑧)

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写真:購入者特典のハガキ「大宮冬洋と歩く蒲郡」より  

 昨年末にリリースした自主企画の電子書籍『40歳は不惑ですか、惑ですか』。購入者から寄せられた感想文をご許可をいただいたうえで少しずつ公開しています。第8弾は、40代の独身男性から。共感に満ちた長文です。ありがとうございます。40代が始まったばかりの僕たち。人生を楽しみ尽くすのはこれから、ですよね!
*****
初めて読む大宮さんの本ということで、実際に読むまでは「40歳の婚活/恋活」がテーマの本だと思いこんでいました。
ここ最近の僕の悩みが、人生そのものよりパートナーに関する比重が重かったために、そう受け取ったところもありそうですが。。
予想外にいろいろな形の40歳のリアルを、いろいろなことを考えながら、自分自身と重ね合わせながら、じっくり読ませていただきました。
こと自分においては、昨年迎えた「40歳」という境目は、これまでの人生のどの年齢の時とも違う「重苦しさ」みたいなものを感じています。
一言で表すなら、名実・心身ともに「もう若くない」ということを嫌でも受け入れざるを得ない感じでしょうか。
確実に「惑」の方です(笑)
私自身、子あり、離婚あり、親との死別など、、人生のイベントはある程度経験し、仕事も30代のガムシャラで激務の頃を経て、良くも悪くも見通しが立つようになった現在です。
日々の生活は安定しているし、嫌なことや辛いこともそんなにない。
代わりに新しいこともほとんどなくて、どこかで一度見たこと、聞いたこと、経験したことが、日々ちょっとだけ形を変えて現れてくるような感覚です。
一人で楽しむことを高度に最適化してしまったので、中途半端に人といるより、結局自分ひとりが楽しい。
世の中の40代の独り身の人たちの中には、そういう人が結構いるんじゃないかな、、という気もします。
ただ、一方でそこに収まり続けることの怖さも感じているし、「まだ自分はこんなもんじゃない」と思いたい気持ちも残ってます。
メインディッシュはまだかな?と待っていたらデザートが運ばれてきたような、そんな感覚に近いかもしれません。
だから、今までの経験、出来事は忘れないまでも一旦脇において、世界を広げるような場所に積極的に動かないとなと、半ば強引に自分を仕向けているところです。
本の中のみなさんも、ひとりひとり考えていることは違うけれども、どこか「これまで」と「これから」に挟まれながら、次の一歩をどう進んでいくのか?試行錯誤されている印象が強く残りました。
本の感想と言いながら、自分のことばかり書いてしまいました。。
ただ、この本を少しづつ読み進む中で、都度立ち止まって、「自分について」をつらつらと考えました。
つまり、たくさんの40歳の方たちのリアルを、一人一人を自分と比べながら、一行一行を自問自答しながら読んだ、そんな本でした。
もしすぐに次の本を読めるとしたら、50歳の人たちの本を読みたくなりました。
「白鳥さん」も「50歳までを考えながら40代を過ごしたい」と言われていましたが、この40代と50歳以降を今の延長線上だけでない、今の期待を上回れるような人生のヒントをもらえたらいいなと。
とりあえず今後の僕の残りの人生の中では「一人で生きていくのか?パートナーや家族を見つけるのか?」というのが直近の大きな課題なので、大宮さんの次の本を読んで、そこをまたじっくり考えたいと思います。
「惑」な40歳の自分について考えるきっかけとなる本を、ありがとうございました。

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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