
イラスト:つぼいひろき
小津安二郎映画に出てくるようなお節介おじさんになりたいと思ったのは5年ほど前のことでした。僕が「いいな」と思う独身男女を引き合わせて、すったもんだの末に結婚が決まり、彼らの幸せを祈りながら旨い酒を飲む、それがカッコいい大人だぜ、と夢想をしていたんです。でも、現実は甘くありませんでした。常に男女それぞれ4名ほどを「会員」として、月1件ペースでお見合いを組むことを自らに課したのが間違いだったのかもしれません。トンチンカンな組み合わせをする、僕が緊張してしゃべりまくる、無用なアドバイスをして会員のやる気をそぐ、お見合いが上手くいかなかったことに僕が腹を立てる、などの失敗ばかり。結論としては、僕には威徳がないのだと思います。「大宮さんの紹介なのだから、とにかく結婚に向かおう」とはならないことにガッカリしちゃったんです。時代小説の読み過ぎでしょうか……。相棒のつぼいさんや素敵なマチコ先生との励まし合いなど、楽しいこともあったと思うのですが、今のところは徒労感と挫折感でいっぱいです。好きなマンガ『寄生獣』でも読み返して、人類について考えようと思います。ヤフーニュース個人での記事はこちらからどうぞ。
著者プロフィール
- 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。
<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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コメント
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コメント (1)
最近の大宮さん記事は思慮深くて、大人で、器の大きさを感じていましたが、すねている記事もとっても素敵です(笑)
大切な大宮さんの紹介だから、少しでも結婚へ繋がるよう少しでも素敵なところがあれば前へ進んでみよう!
大切な大宮さんの紹介だから、失礼がないよう少しでも引っ掛かるところがあれば前に進むのはやめておこう!
どちらも気遣いなんだと思います。
けど圧倒的に前者が恋愛、結婚につながりやすい。
たまたまおみおじではうまくいかなくても、大宮さんの文章から結婚を意識し決断した方は多いと思います♥️
つぼいさんもおみおじのロゴといい、センスありますね!