土井善晴『一汁一菜でよいという提案』など

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以下、先月分の読書録です。

〇安西、八重樫『デザインの次に来るもの』/〇田辺聖子『金魚のうろこ』/☆中原圭介『これから世界で起こること』/☆村上春樹『女のいない男たち』/〇角田、堀江『私的読食録』/〇土井善晴『一汁一菜でよいという提案』/☆池波正太郎『黒幕』/☆田辺聖子『男と女はぼちぼち』/〇宮崎正勝『世界経済全史』/☆藤沢周平『竹光始末』/☆高峰秀子『にんげん住所録』/〇永野健二『バブル』/☆司馬遼太郎『街道をゆく1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか』(〇は初読、☆は再読)

その分野のプロフェッショナルに「シンプルでいいんだよ」と言ってもらえると安心しますよね。表題作は、和食の料理研究家として有名な著者による自炊生活のすすめ。日本人の日常的な食事は、熱いご飯と具だくさんの味噌汁(一汁)と漬け物(一菜)だけで良いのだと力強くかつ合理的に説いてくれています。漬け物がない場合は、味噌をご飯に添えて塩気を足せばいいそうなので、実質的には「ご飯が炊きあがるのを待っている時間に、冷蔵庫にある食材を適当に入れた味噌汁を作ればOK」ということですね。池波正太郎『剣客商売』第1巻の冒頭シーンのような簡素さです。でも、実践してみると本当に「味噌汁+(納豆)ご飯」で十分なことが実感としてわかります。味噌汁に野菜や卵やベーコンなどを入れるのって楽しくて美味しいです。下手にあれこれ作るよりも栄養バランスがいいはずだし、飽きも来ません。食器が少なくて脂汚れもないので片づけも楽。この本のおかげで、今後の人生で自炊に困ることはないと確信しています。僕と同じように毎日の料理に苦手意識がある人におすすめの本です。

著者プロフィール

大宮 冬洋
 1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも折に触れて西荻に「里帰り」している。
 2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。月のうち数日間は東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
 2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。

<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)
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